不要になった医薬品を処分する方法や薬事法に抵触する転売行為の問題点について

市販されている医薬品や病院で処方された薬剤が不要になるのは珍しいことではありません。そのまま捨てるのはもったいないと思い、他の人へ譲ったりネットオークションなどで転売するケースがありますが、重大な健康被害を引き起こすおそれがあります。

また、法律に抵触する可能性も否定できません。ここでは医薬品の転売に関する問題点や適切な処分の方法についてお伝えします。

医薬品の販売は法律で定められた許可が必要

ネットオークションやフリマアプリの普及により、不要品を個人で売買するのが当たり前になりました。使う機会がない物を処分できるうえにお金にもなる点が高く評価されている一方、法律に抵触するケースも少なからず見受けられるのも事実です。

知らなかったでは済まされないので、トラブルを避けるためにも正しい知識を持つことが重要と言えるでしょう。体調不良などの理由で購入した医薬品が不要になり、せっかく買ったのにそのまま捨てるのはもったいないからと転売するのは大きな問題のある行為です。

医薬品の販売は許可を得た人しかできないことが薬事法で定められています。無許可での医薬品販売は種類や数量を問わず、重大な違法行為です。無許可販売の刑罰は3年以下の懲役か300万円以下の罰金と重いものですが、これは医薬品の使用が人命に直結する問題であるためです。

体質や疾患によっては特定の薬効成分で命の危険に陥る可能性があります。些細な小遣い稼ぎのつもりで医薬品を転売すると、非常に高い代償を支払うことになると言っても過言ではありません。

雑誌の記事や広告と薬事法の関わりについて

薬事法で転売が禁止されている医薬品の詳細

ひと口に医薬品と言ってもその種類は様々ですが、基本的には医薬品と称されている物は転売禁止と言えるでしょう。ロキソニンや胃腸薬など、暮らしに密着している馴染み深い製品も転売することはできません。もちろん、病院で処方された薬剤も薬事法で取り扱いが厳しく制限されています。

余ったからと言って転売すると大きなペナルティが課せられるので避けるのが賢明でしょう。一方で医薬部外品や化粧品は即座に強い影響をもたらす成分は使われていないので、転売しても法律上の問題はありません。しかし、口に入れたり肌に触れる物なので取り扱いには細心の注意を払う必要があります。

また、転売の際は病気が治るなど、虚偽の内容を記載してはいけません。

医薬品の転売に関するトラブルについて

医薬品の転売は薬事法に抵触する違法行為ですが、不要品を売却する行為そのものは問題がないことから、軽い気持ちで医薬品を転売するケースは少なくありません。病院で処方してもらった薬剤が余ってしまい、もう使わないからとネットオークションなどで転売するケースが多いとされています。

数日分程度の少量なので金額が安いことや、市販の医薬品よりも薬効成分が多いことなどを理由に一定の需要がある事実は否定できません。しかし、販売の許可を得ていない人が医薬品を販売するのは違法である他、重大な健康被害をもたらすおそれがあります。

トラブルを避けるためにも転売をしないことはもちろん、転売されている医薬品は購入しないように心がけます。稀に、悪意を持って大量の医薬品を転売するケースもあります。生活保護受給者が公費で入手した医薬品を転売するのは典型的な例です。

本来は金銭の負担を軽減するための福祉制度を小遣い稼ぎのために悪用し、買う側も病院で処方してもらうよりも安く済むとの理由で転売品を購入することが問題視されています。転売されている医薬品は必ずしも品質が良好に保たれているとは限りません。

有効期限が切れていたり、別の医薬品が混在している可能性があります。中には日本で認可されていない、外国の危険な薬剤を転売しているケースもあるので、どれだけ安価であっても転売品は購入してはいけません。

要らなくなった医薬品の処分方法

余った医薬品をもったいないとの理由で手元に置き続ける人は少なくありません。食品のように短期間で傷む物ではない他、昔は医薬品が高級だったことも大きな理由とされています。しかし、医薬品には有効期限が定められているのも事実です。

期限切れの医薬品は劣化しているので、適切な効果を得ることができません。病院で処方してもらった医薬品でも期限切れになると効果が低下するので、手元にあっても使わないのが賢明でしょう。誤飲を防ぐためにも、不要になった医薬品はすぐに廃棄するのが正しい対処法になります。

処分する際は包装を剥がし、薬剤は封筒などに入れて封をします。液体の場合は排水口に流しても問題はありません。不要な医薬品は速やかに廃棄するのが正しい方法ですが、無駄を極力減らすことも無視できない課題です。

必要最低限だけの量を処方してもらう他、市販品も過剰に購入しないように注意します。

医薬品を劣化させずに保管する方法

医薬品は有効期限内であっても、取り扱いを誤ると劣化して薬効が低下します。体調の改善を期待できなくなるので、医薬品は適切な環境で保管することが大切です。多くの医薬品は乾燥した暗所に置くのが最善とされていますが、これは湿気と光が成分の劣化を促進させるためです。

一般の家庭で医薬品を置くのに最適な所は冷蔵庫と言えます。冷蔵庫の中は日光が入らないうえ、乾燥した環境なので医薬品がもっとも劣化しにくいのは紛れもない事実です。低温でもあることから、カビの発生や害虫による食害もほとんど起きません。

理想的な保管場所と言えますが、食材の匂いが付着する可能性もあるので注意します。医薬品の保管については飲み間違いも注意するポイントのひとつです。家族と同居している人は複数の医薬品を同じ所で保管することになります。

形や色が似ている薬剤は特に間違えやすいので、包装紙を一緒に保管するなど分かりやすい状態で保管することが大切です。使用する人の名前を書くのも効果的な方法ですが、本人が十分に注意しなければ意味がないのも事実です。

そのため、場合によっては別に保管場所を用意することも検討することが重要でしょう。

医薬品は慎重に扱うことが何よりも重要

医薬品は体調の良し悪しに大きな影響をもたらす物です。そのため、取り扱いは薬事法で厳しく制限されています。不要になったからとの理由で医薬品を転売するのは非常に危険な行為と言えるでしょう。重大な健康被害をもたらす可能性は否定できないので、もったいないと感じても他人の手に渡してはいけません。

地域のごみ出しルールに沿って廃棄するのが正しい対処法になります。