感染症予防のために、効率よく免疫力アップができる方法を知りたいと考えている人もいるのではないでしょうか。免疫力アップの効果を表記できるものは、薬事法で医薬品に分類されるものに限られています。ここでは、薬事法で取り扱い範囲になる対象品はどのようなものがあるかをご紹介し、その表記に関する規制に関しても詳しくお伝えしましょう。
薬機法って、どんな法律なの？
厚生労働省が定める「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」は、薬機法の略称で知られています。薬機法は、2014年に薬事法を改正して制定された法律です。法律の最初に医薬品、医療機器等と書いてある通り、医薬品や医療機器等を対象とした法律です。
医薬品や医療機器のほかには、医薬部外品、化粧品、再生医療機器等商品が薬機法の対象となります。また、薬機法による効能や効果に関する表現の規定は、健康食品の規制にも活用されます。
免疫力アップという表現の特徴
免疫力アップという表現は、メディアなどでも頻繁に目にする機会がある表現ですよね。実は、免疫力アップという表記を薬機法上で認められているのは、医薬品のみです。免疫力アップや向上という表現は、人間の身体機能や構造に影響を及ぼす表現であり、医薬品的効能効果とみなされるのです。
食品で表記してもよいのは、健康維持や栄養補給といった現状を維持する効果までで、機能を向上する効果は表記できません。そのため、医薬品ではない健康食品やサプリメントで、免疫力アップと表現することは薬機法違反にあたります。
免疫力という言葉自体は食品にも使用できる！
食品に対して、免疫力を高める、免疫力アップといった表現を使えば、薬機法違反になりますが、免疫力という言葉自体は使用可能です。免疫力を上げるというニュアンスを伝えず、免疫力維持や免疫力キープ、免疫ケアといった表現であれば、食品にも使用することができます。
ドラッグストアやスーパーで取り扱っている乳酸菌を含んだ食品や飲料には、免疫機能の維持や免疫力サポートといった効能を表記したものがありますよ。コロナウィルスをはじめ、感染症に感染しにくい健康的な暮らしをサポートしてくれる食品や飲料を上手に取り入れてくださいね。
薬機法の取り締まり対象となるものとは？
薬機法の第六十八条では、承認前の医薬品、医療機器及び再生医療等製品の広告を禁止しています。
そのため、医薬品であっても、未承認のものについては、厳しい取り締まりの対象となります。コロナ時代に突入してからは、「免疫力が上がる」という効果を謳って未承認の医薬品を販売した医薬品会社の社長が、逮捕されたという事例があります。
また、サプリメントでありながら、コロナウィルスの感染症予防対策に有効だとして販売した会社が、景品表示法における優良誤認表示にあたると判断された事例もみられます。健康に影響を及ぼす効能効果を謳う商品に対して取り締まりが強化されていることが、私たち消費者の安全な暮らしを守ってくれる一助となっていると言えます。
医薬品等の適正広告基準について
厚生労働省では、広告が消費者に対して与える影響の大きさを踏まえた上で、医薬品等適正広告基準について細かく規定しています。表現や内容だけでなく、どのような広告媒体で使用されているかという性質も熟慮し、世相の反映も加味して、各種の要素を総合的に考慮した上で適正か否かを判断することが必要としています。
新型コロナウィルスの流行に伴って、「新型コロナウイルス対策に」といった特定の疾病予防に効果があるかのように標榜された広告を掲げた商品を目にすることもありますが、このような広告は薬機法に抵触する可能性があるので、慎重に注意する姿勢を心掛けることが大事です。
規制の対象となる広告は、新聞や雑誌、テレビ、ラジオといった媒体に加えて、ウェブサイト及びソーシャル・ネットワーキング・サービス等の全ての媒体における広告が対象となります。動画が広告に取り上げられることも増えている時代にあって、アニメーションを用いる際についての注意点も記されています。
内容があまりにも誇張されたものや品位に欠けるもの、消費者に対して著しい不快感を与えるものは規制対象です。
免疫ケアに役立つ成分とは？
自身の持つ免疫力を維持したいという場合は、どのような成分を配合した免疫サポート商品を取り入れればよいのでしょうか。現在販売されている免疫ケアの関連商品としては、健康な人の免疫機能の維持に役立つとされるプラズマ乳酸菌を配合したものがあります。
一般的な乳酸菌は、一部の免疫細胞に対してのみ働きかけるのが特徴ですが、プラズマ乳酸菌の場合は、免疫の司令塔的な役割を果たすプラズマサイトイド樹状細胞（pDC）に直接働きかけ、活性化してくれます。プラズマサイトイド樹状細胞が活性化されることによって、免疫細胞全体に指示や命令が行き渡り、結果的に免疫細胞が活性化されるのは、プラズマ乳酸菌ならではの特性と言われています。
健康な暮らしを保つのに不安があるという人の場合は、免疫力の維持を効率よくサポートしてくれるプラズマ乳酸菌の働きに注目してみてください。
プラズマ乳酸菌を配合した商品の種類とは？
免疫力の維持に有効なプラズマ乳酸菌を含有した商品には、飲料や食品、サプリメントなど多様な種類があります。自身の生活スタイルに合う形状の商品を選ぶと、継続して摂取しやすくなります。ペットボトルで販売しているドリンクタイプであれば、水分補給の際に飲む飲料として携帯することもできます。
食べ物から摂取したい場合は、機能性表示食品として認められたヨーグルトを食事にプラスしたり、間食として取り入れたりする方法がおすすめです。サプリメントを摂取する習慣のある人であれば、サプリメントで摂取するのもよいでしょう。
免疫ケアだけでなく、サプリメントに良質な睡眠を得られる効果をプラスした、免疫と睡眠のダブルケアができるタイプの商品もあります。どのような形状のものを選ぶにせよ、すぐに効果を実感できるというタイプの商品ではないため、数週間から数ヵ月継続して摂取するのがポイントです。
免疫力に関する表現に注目して商品選びをしよう
感染症に対する不安が拡大している時代、免疫力を向上させることが課題だと感じている人も多いことでしょう。
「免疫力アップ」という最近よく目にする表現は、医薬品のみに適用可能な表現です。健康食品やサプリメントの場合は、「免疫力維持」といった表現を謳って販売されていますので、商品選びの際には細かな表現まで注意してチェックし、安心できる商品を適切に選んでくださいね。